キミへの想いは、この声で。

幼なじみ三人組のなかで、唯一スマホを所持している颯太くんとのトーク履歴を開く。


ふぅ……、と一度深呼吸をしてから、文字を打ち始める。


〝颯太くん、朝からごめんね。

まだ、ひーくんはそっちにいる?〟


勇気を振りしぼり、送信ボタンを指の腹で押す。


こんなちいさなことでも、かなりの勇気がいる私。


数分足らずで颯太くんから返信が返ってきた。


〝いるけど、どうしたの?〟


よかった……、まだいるんだ!


……でも、なんて返そう……。


どう返事をしていいか悩みながらも文字を打つ。


〝声が出せるようになったから、ひーくんが帰る前に話がしたいなって思って〟


そのメッセージを送信すると、一分足らずで返信が返ってきた。

< 263 / 337 >

この作品をシェア

pagetop