キミへの想いは、この声で。

「そのひーくんの双子の弟が偶然にも颯太くんでね。

……それで昨日、ちょっとした偶然が重なって、ひーくんに会って……。

あのときのことを全部、颯太くん挟んでだけど聞いたの。

ひーくんもそのあと、たくさん謝ってくれてね。

また、ミサンガお揃いでつけることになって……。

それで今もこのミサンガをつけてるの!」


「そうだったの……。よかったわね、茜」


お母さんは少しだけ瞳を潤ませて言った。


「実は今から、ひーくんにも会う予定で……」


「茜、そろそろ行かなくていいの?」


「あっ!忘れてた!行ってきます!」


私は慌てて靴に足を入れると、鞄と一緒に持ってきたマフラーや手袋を身につけた。


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