キミへの想いは、この声で。

なんだろうと思いながら、それを拾い上げると、そこには顔が瓜二つの幼い男の子が肩を並べて笑いあっていた。


……あれ?この顔どこかで……。


「あっ、それ……っ」


私が写真を片手に頭を捻っていると、すかさず横から彼がそれを奪い取った。


もしかして……、その写真の男の子、川島くん?


そう問いかけるかのように、彼の瞳を見つめる。


普段は緊張して誰かの目を見たりはできないけど、今はなぜだかそれができた。


彼は数秒間黙りこむと、あの写真に映っているのが自分だと認めた。


私もそれを聞いて納得はしたんだけど、少しだけ疑問が残ってしまった。


あの写真に映っていた、もうひとりの男の子……。

< 28 / 337 >

この作品をシェア

pagetop