キミへの想いは、この声で。

「知らないよ?」


「……へ?」


颯太くんの疑問形に、別の答えを予想していた私は思わず変な声を出してしまった。


「だって、茜から誕生日のこと聞いたことなかったし……」


「じゃ、じゃあ、なんでさっき私の誕生日を……」


「あぁ、あれ?勘」


か、勘!?


勘って……、えぇ!?


「夏生まれだったらいいなーって思って」


──ゴツン。


「……お前はアホか」


拳を颯太くんの頭のてっぺんに勢いよくぶつける徳原くん。


「い……った!!鬼直樹……」


「天然チビ野郎」


「なっ!!」


頭を押さえながら、顔を真っ赤にさせる颯太くん。


「天然とかチビとか言うな~!」


「はいはい、少し黙ってもらえる?」


優乃ちゃんが手をパンパンと二回ほど叩き、手の甲を上にしてみんなの前に出した。

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