キミへの想いは、この声で。
だから今は、女子で埋もれてしまっている。
……みんなが離れていくまでどこかに行きたいところだけど、もうすぐチャイムが鳴っちゃうし……。
「茜?どうした?」
肩をポンと叩かれ、振り向くと不思議そうな表情を浮かべる颯太くんが立っていた。
「もうすぐチャイム鳴るよ?」
「あ……、えっと……」
しどろもどろになっていると、颯太くんは私から女子グループに目を向け、納得したようにクスッと笑った。
「チャイム鳴るまで、なにか話そっか」
「う、うん」
気を……遣わせてしまった……。
「なんかみんな、チョコですごい盛り上がってるな」
廊下の窓から見える景色を眺めながら、彼は驚いた様子で私に話しかけてきた。