キミへの想いは、この声で。
「茜、おはよう」
「おはよう、優乃ちゃん」
席に着くと、早速優乃ちゃんが声をかけてくれた。
なにやら楽しそうに、イスごと私の横に移動してくる。
「どうしたの?」
「さっき、颯太とどこ行ってたの?」
耳元で囁くように聞かれ、顔の中心に熱が集まる。
「え、いや……、廊下でちょっと話してただけだよ。
男子に少しからかわれて、前みたいなことが起きそうだったから、すぐに教室に戻ってきたけど……」
「それで、それで?」
話が終わっても、ワクワクした瞳で見つめてくる彼女。
「えっと……、それだけだよ?」
「なに話したの?颯太と」
「みんな、バレンタインのチョコの話で盛り上がってるねとかかな?」
私が小首を傾げて話すと、さっきよりもキラキラした瞳で詰め寄ってくる彼女。