キミへの想いは、この声で。
強制的に立ち上がることになった私は、机の上に置かれているランドセルに腕を通す。
私が帰る準備をすると、優乃ちゃんもすぐに自分の席に戻り、帰り支度を整えた。
「それじゃあ、行こっか」
「うん」
おたがいにマフラーと手袋を片手に、教室をあとにする。
「そういえば、朝言いたかったことなんだけど……」
渡り廊下を歩きながら、優乃ちゃんが少し小声で話し始める。
「茜は颯太にも、友チョコを渡すつもりなの?」
「え、うん。そうだけど……、もしかしてダメだった!?」
思わず動かしていた足を止めて問いかける私。
すると、優乃ちゃんも同じように足を止めた。
クルッと私のほうに、方向転換をして。