キミへの想いは、この声で。

「そうじゃなくて……、本命としては渡さないのかなって思って……」


「ほ、本命って……」


一瞬で顔が真っ赤に染まる。


真冬なのに、窓から入ってくる風が心地よく感じる。


「……む、無理だよ。さすがに……。

というか私、最初から友チョコのつもりで……」


「私は、直樹に渡すよ」


私の言葉を遮った優乃ちゃんが、私から視線を外し、真剣な瞳で決意するように言った。


「渡してもきっと、幼なじみの関係は崩れないと思うんだよね」


天井を見つめながら、優乃ちゃんははっきりと言った。


「あ、両思いって意味じゃないよ。

……振られても、直樹となら今までと変わらないままで、いられそうってだけだから」


「優乃ちゃん……」


私の呟くような声に、優乃ちゃんは天井から私に視線を戻した。

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