キミへの想いは、この声で。
「ま、茜は茜で好きなほうを選びなよ?
上から目線になっちゃうけど、颯太に本命渡すなら私も精一杯応援するし」
「うん、ありがとう。
本命渡すの……少し考えてみる」
「よし。じゃあ、あとは帰ってからね!」
優乃ちゃんが明るく言い、再び前を向き歩きだす。
私も慌てて、優乃ちゃんの隣に並んだ。
「うん!ふたりで頑張ろうね!」
私はそっと優乃ちゃんに拳を近づける。
優乃ちゃんもそれに気がつき、拳をコツンとぶつけてくれた。
グータッチの本来の意味は嬉しいことがあったときにおたがいの拳をぶつけあうってことらしい。
……何気に本来の意味で行うのは初めてかも。
階段へと向かいながら、そんなことを思った。
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