キミへの想いは、この声で。
story*20 バレンタインの恋模様
【side 優乃】
「出来たーー!!」
グッと両手で握り拳を作って、ガッツポーズをする私。
「やったね、優乃ちゃん」
「うん!」
──パチン。
あまりの嬉しさに、茜とハイタッチまで行った。
……直樹に渡すチョコが完成したんだ。
「茜は完成した?」
手元にある自分のチョコから、茜のチョコに視線を移して問いかける。
「うん。カップチョコだから、すぐに終わったよ」
「じゃあ、あとは冷やしてラッピングするだけだね」
私は自分のチョコを手にすると、後ろにある冷蔵庫の扉を開けて、空いているスペースにちょこんと置いた。
「はい、茜もどこか空いてるスペースにそれ冷やして」
私は冷蔵庫から離れると、茜に冷やすよう促した。