キミへの想いは、この声で。

「わかった」


茜も頷き、可愛らしいチョコを冷蔵庫の中へとしまう。


「……来週のバレンタイン、楽しみだね」


冷蔵庫の扉を見つめながら、ボソッと呟いてみる。


直樹には、毎年チョコを渡しているから、今さら驚かれたりはしないのだけれど、今年はいつもと違うからやっぱり少し緊張してしまう。


「優乃ちゃんなら、大丈夫だよ」


そんな私を安心させるかのように、隣にいる茜は「大丈夫」を繰り返す。


「ありがとう、茜」


緊張するけど、精一杯の勇気をだして、頑張って直樹に渡すんだ。


目指すは、直樹の彼女……!


「よし、来週頑張るぞーー!!」


「おー!」


……だけど、この私の勇気は思わぬ形でへし折られてしまうこととなる。

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