キミへの想いは、この声で。

──翌日、放課後。


私と茜は、ふたりよりも早く、星公園に集合していた。


待ち合わせ時間の四時半までは、まだ二十分以上時間がある。


それなのに、心はそわそわしていて落ち着かない。


「うー……、寒い……。てか、すごく緊張してきた……」


手のひらで器を作って、ハァーと息を吹きかける。


手提げ袋の中には、颯太への義理チョコと直樹への本命チョコ、それに茜からもらった友チョコが入っている。


茜とは、ここに来てすぐに友チョコ交換を行ったんだ。


「うん……、寒いね。

だけど私、今日は緊張しすぎて、朝早く起きちゃった」


ヘヘッとはにかんだ笑みを浮かべる茜。


……そういえば、結局茜は颯太へのチョコはどういう意味で渡すんだろう?

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