キミへの想いは、この声で。
……まぁ、颯太の場合は、今年も例年どおりカップチョコを渡すつもりだけど。
「今年はいつもと違うんだな。……サンキュ」
直樹は口角を少しだけ上げると、ショルダーバッグを肩からはずし、チャックを開けて中に突っ込もうとする。
「今年は……、違うよ」
だけど、私の言葉で直樹の手が止まった。
「え?」
「…………いつもは、その……、義理……だけど、今年は……」
だんだんと緊張してきて、顔が火照ってくる。
手もじわりと汗が滲む。
……私は、普段冷たいことしか言えない。
好きっぽい態度なんて、微塵も出すことはなくて。
だから、きっと言ってしまえば、すごく驚かれて、引かれてしまうかもしれないけど……。