キミへの想いは、この声で。

「……は?」


「え?違うのか?」


……鈍感女子は今までに何度も見たことある。


マンガでも、アニメでも、小説のなかでも。


だけど、ここまで鈍感な男子を私は見たことがない。


……私の勇気を返せ……。


「もう知らない!」


プイッと直樹から顔を逸らす。


たしかに少し遠回しで言ったかもしれないけど、フツー気づくでしょ。


……直樹のバカ。


「なに怒ってんだよ、優乃」


眉をハの字に曲げて、困った顔をする直樹。


もう……、本当にムカつく。


けど……。


「好きって意味です!いいかげん、気づけ!!バカ直樹!」


「……っ!」


やっぱり私は、キミのそういうところも全部好きなんだ──。


.





.

< 323 / 337 >

この作品をシェア

pagetop