キミへの想いは、この声で。
車の音も鳥のさえずりも、なにもかも聞こえなくなり、シーンとした静けさだけが、私たちのあいだに流れる。
先に沈黙を破ったのは、颯太くんのほうだった。
「……茜、気持ちを伝えてくれてありがとう。
茜の気持ち、すごく嬉しい」
優しい瞳でお礼を言われ、胸の中がとても温かい気持ちに変わる。
だけど、そんな颯太くんの瞳もすぐに切ないものへと変わった。
「だけど、ごめん……。
俺、好きとかよくわかんないんだ。
だから、茜の気持ちに応えることはできない」
「うん……。わかってる」
なんとなく、そんな気はしていた。
この恋は、叶うことはないだろうって。
「伝えたかっただけなの。だから、聞いてくれてありがとう」
少しだけ胸が痛むけど、精一杯の笑顔を颯太くんに向ける私。