キミへの想いは、この声で。
エピローグ
──一ヶ月後。
「茜、おはよう!」
「おはよう、颯太くん!」
バレンタインの日に告白して一ヶ月が経った今日この頃。
私と颯太くんの関係は、告白前となんら変わりばえはない。
朝、廊下で会えば「おはよう」を交わし、帰りの時間になれば、「また、明日」と手を振る。
今までと、なにひとつ変化はない。
あるとすれば──……。
「茜、おっはよーー!!」
「優乃ちゃん、おはよう!」
ハイテンションで教室に入ってきた優乃ちゃんに、私も慌てて挨拶を返す。
「……お前、少し静かになれよな」
そんな優乃ちゃんを後ろからコツンと小突く徳原くん。
ふたりはあの日以降、こんな風にふたりで登校してくることが増えた。