キミへの想いは、この声で。
あの日、どんなことがあったかは、優乃ちゃんからは聞いていないけど、きっと……、上手くいったんだと思う。
ふたりからは、幸せオーラが漂ってるし。
チラッと颯太くんに視線を移せば、フッとあきれ笑いを浮かべている。
「おふたりさんはほっといて……。
茜、ちょっと来てもらえる?」
「え?うん」
颯太くんは自分の席から、白いビニール袋を手にすると、私の手をとり、教室をあとにした。
連れて来られた場所は、もう定番になりつつある五階の階段付近。
そこで私の手を解放すると、颯太くんは私のほうに向き直り、少し緊張した面持ちで話し始めた。