キミへの想いは、この声で。

「今さら遅いかもしんないけど、俺……、茜のことが好きだ……!」


「……っ!」


耳にはっきりと聞こえたその言葉。


『好き』という二文字。


たったそれだけで、私の心は一気に熱くなった。


「俺と付き合ってください……!」


頭を下げてお付き合いを申し出てくれる彼。


私はその言葉にちいさく頷いた。


「は……、はい……」


恥ずかしくなって、俯く私。


「よっしゃーー!!」


頭上からは、颯太くんの喜びの声も聞こえ、私まで嬉しい気持ちになった。


だけど、すぐに頭のなかに疑問が浮かぶ。


「あ、颯太くん」


「なに?」


先程の返事が余程嬉しかったのか、今もなお頬が緩んでいる颯太くん。

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