キミへの想いは、この声で。

「そっか……」


大人がするような難しいことは、別にしなくてもいいんだ。


「とりあえず、付き合った記念にどこか遊びに行く?……ふたりで」


「……!」


首もとに手を当てながら、恥ずかしそうに遊びに誘ってくれる颯太くん。


「うん、行きたい!」


私がそう答えると次第に笑顔になる彼。


「じゃあ、約束な!」


そういうと、颯太くんは私の小指に自分の小指を絡めた。



──ひーくんとの出会いから始まった、私のちいさなちいさな初恋。


それは、たくさんの偶然を巻き起こして、両想いという奇跡を起こした。


だから私は、これからもその『奇跡』を大切にしていきたい。


ずっとずっと、いつまでも大好きなキミのとなりで──。


.





.


『キミへの想いは、この声で。』 fin.。

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