キミへの想いは、この声で。
「全然気にしてないから、大丈夫だよ」
俺はいつもの調子で佐藤さんに言う。
佐藤さんは顔を上げると、少しだけホッとしたような表情を浮かべた。
それを見て、やっぱり思う。
佐藤さんと友達になりたいなって。
佐藤さんが転入してきて二日目のときに、一度友達になろうと声をかけたけど、結果は上手くいかず。
それでも、俺は諦められなかった。
だって……、あのときの佐藤さんの表情 (かお) 。
すごく傷ついた顔をしながら、黒板に文字を書いていたんだ。
〝ごめんなさい〟って。
だから、ほっとけなかった。仲良くなりたかった。
たとえ、友達にはなれなくても彼女が笑ってくれるならそれでいい。
そう思った俺は、断られたあの日からもたくさんたくさん彼女に話しかけた。