キミへの想いは、この声で。

「なにって、お前がしょげた顔してるから、目覚ましてやったんだろ?」


「だからって、もう少しやり方ってものがあるはずだろ」


直樹のげんこつは、いつやられても死にそうになるくらい痛い。


コイツはわかっててやってんのか?


だとしたら、怖ぇー……。


「……俺、いつか直樹に殺されそう」


「あ?なんか言ったか?」


怖い顔で鋭く睨みつけてくる直樹。


「……なんでもない」


俺がそう言った直後、いつもより大きな音でチャイムが鳴り響いた。


「ふーん、ま、とりあえずお前が元気そうならそれでいいわ。

じゃーな!」


ぶっきらぼうにそう言い残したかと思うと、すぐにスタスタと歩いていってしまった。


チャイムが鳴り終わっても殴られた後頭部は、ジンジンしてすごく痛かった。


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