キミへの想いは、この声で。

やっべ!


慌てて拾い集める俺。


すると、ドア付近に立っていた彼女も、同じようにしゃがみこんで拾うのを手伝ってくれた。


「ごめん、佐藤さん。ありがとう」


全部拾い集めてから、佐藤さんにお礼を言う。


箱を持っていた彼女は、俺の言葉にぶんぶんと首を振る。


するとまたしても、箱がひとつ、床に転がり落ちた。


「……俺ら、なんか似てるな」


ふたりして箱を落とすとか。


佐藤さんは恥ずかしそうに箱を拾い上げると、今度こそとでも言うかのように、準備室の扉をノックした。


中からは誰からの声もなかったけど、ふたりで上がりこんだ。


普段見ることができない準備室。

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