キミへの想いは、この声で。

これは……、ミサンガ?


彼女のポケットから落ちたものは、ピンク色の可愛いミサンガとカッコいい青色のミサンガだった。


青色のミサンガはおそらく、彼女が作ったものだろう。


ピンク色のミサンガは青色に比べるとかなり不格好だから、佐藤さんじゃない別の誰かが作ったのかな。


とそんなことを考えていると、横から彼女が奪うようにそれを取っていった。


「なんか、本当ごめん」


俺、今日やらかしすぎだ。


俺のその態度に戸惑いを見せた彼女は、この気まずい空気に耐えられなくなったのか、その場を走り去っていった。


……伝えたいこと伝えそびれたな。


明日……、伝えるタイミングを見つけたら伝えてみよう。


〝俺と友達になろうよ〟と──。


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