キミへの想いは、この声で。
でも今、私の手元にはないの……。
どこかに行っちゃったの……。
大切な……宝物同然のものだったのに……。
私が再びガタガタと震えだすと、川島くんはなにか察したのかスッと立ち上がり、「ちょっとだけ、ここで待ってて」と言い、どこかへ行ってしまった。
俯いた顔を上げられずにいると、昔の記憶の一部分が脳内で再生されてしまった。
──
────
『茜っち、このあとどうすんの?』
『このあとは、こうしてやってね──……』
それは多分、私が一番思い出したくなかったことで、
『うえぇ!!糸絡まった!』
『だ、大丈夫だよ!こういうときはね──……』
だけどそれは、私が一番幸せを感じていたときでもあって、
『難しい……、俺リタイアする……』
『も、もうちょっとだから、頑張って!ひーくん!』
私の一番大切な人との最後の記憶でもあったんだ。