キミへの想いは、この声で。
story*6 悲しい記憶、忘れられないもの
──それは、私が小学三年生のときの話。
「今日からこのクラスの一員となった、佐藤茜さんだ。
みんな、いろいろ教えてあげるように」
私は、転校生としてその学校に通うことになった。
転校してきた当初は、「茜ちゃん、こっちだよ」「佐藤さん、それの使い方はね」とクラスの人みんながすごく優しくしてくれた。
だけど、いつまで経っても心を開かない私に、だんだんとクラスの人が離れていって。
あぁ、やっぱり私はひとりなんだなって思って。
元から私は人見知りが激しく、特別親しい人はいなかったから、そんな態度も最初は悲しいと思いながらも、いつしかそのことに慣れてしまっている自分がいたんだ。