キミへの想いは、この声で。
そんなある日の放課後。
いつもの癖でひとり教室に残って、その日の宿題を終わらせていると、ある男子が教室に上がりこんできた。
白いTシャツにグレーのズボン、青色のジャンパーを着た、ツンツンした感じの男の子。
私はまだ彼とは話したことがなく、おたがいにクラスメートという認識はあったものの、それ以外のことはなにひとつとして知らなかった。
だから当然、話しかけようとは思わなかったんだけど……。
「……その答え、間違ってる」
ふいに近寄ってきた彼にそう指摘された。
人と話すことが大の苦手の私は返事に困ってしまい、戸惑いを隠せずにいた。
すると彼はそんな私を横目に、その問題の解き方をとてもわかりやすく教えてくれた。