キミへの想いは、この声で。
それは、小学四年生に上がってすぐのこと。
「じゃあ、茜っち。また、明日な!」
「うん、またね!」
方向が違うひーくんと門の前でお別れを告げ、一息ついたときのこと。
「……佐藤さん」
後ろから誰かに名前を呼ばれた。
それは……、女の子の声とは思えないほどに低い声で、私は少しビクビクしながら、ゆっくりと後ろを振り向く。
そこには何人もの女の子が腕を組みながら立っていて、私をキツく睨みつけていた。
ビクッと肩を震わすと、真ん中にいたリーダー格の女の子がなにか言いたげに一歩前に出た。
「佐藤さんって最近、陽太くんと仲良いよね」
「……っ」
名前も知らない人になにを言われるかと思えば、ひーくんとのこと。