キミへの想いは、この声で。

「アンタ、陽太くんのこと狙ってんの?」


「ね、狙ったりなんてしてません。

ひーくんは……、私の大切な友達です」


手や足がガタガタと震えながらも必死になって私は話す。


ひーくんはクールな性格をしているけど、女の子にすごくモテる男の子。


私みたいな子が彼と仲良くしていれば、当然彼女たちは黙っていないだろう。


「なにそれ。うちらにそんなウソ通用するとでも思ってんの」


「どうせ、色目使って落としてやろうとか考えてんでしょ」


リーダー格の横にいた子までもが、私に詰め寄ってくる。


「違います、そんなんじゃありません……」


怖くて怖くて涙が溢れそうになるのを必死で堪える。

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