キミへの想いは、この声で。

ギュッと目を瞑り俯くと、彼はそんな私をギュッと抱きしめた。


「大丈夫だ!茜っち!」


「……っ、え?」


泣き出しそうになった私を安心させるかのように、彼はめいっぱい大きな声を出して〝大丈夫〟と言う。


「俺が、必ず守るから!」


「……っ」


……ちゃんといるんだ。


いじめられても、見捨てないでいてくれる人。


「……ありがとう、ひーくん……」


泣きながらお礼を言うと、彼は腕を緩め、優しく微笑んでくれた。





それからというもの。


私は毎日、彼女からの嫌がらせを受けた。


朝のときに私が少し席を外していると、机の中にゴミを入れられていたり、黒板に悪口を書かれていたり……、それは日に日にエスカレートしていき、ついには周りの人全員にいじめられるような状況にまで陥った。

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