キミへの想いは、この声で。

親や先生に相談したいとは何度も思ったけど、結局勇気がでなくてできなかった。


すごく辛くて苦しくて、毎日が息苦しかった。


でも、そんななかでも唯一救いだったのは、ひーくんがいたこと。


みんなが口を聞いてくれなくなった状況でも、彼だけは変わらずに私と仲良くしてくれた。


だから、辛いいじめにも耐えることができたんだ。


でも、ある日の放課後──。


「……だから傷つけて」


職員室から教室に戻る途中、どこからかそんな声が聞こえた。


私はキョロキョロと辺りを見まわし、声のするほうに向かって歩く。


すると階段横のスペースに男女の姿を見つけた。


咄嗟に近くのものに身を潜めた私は、ふたりの会話に耳を傾ける。

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