キミへの想いは、この声で。
story*7 クラスメートから友達へ
【side 颯太】
「じゃあ、佐藤さん。また明日」
『うん。またね』
佐藤さんの辛い過去を聞いた俺は、あのあとベンチから立ち上がるとすぐにふたりでランドセルを取りに行って、帰宅することにした。
友達になったから佐藤さんを家まで送ることも考えたけど、生憎家が反対方向で、俺は佐藤さんに別れを告げると、すぐにいつもの見慣れた景色に目を向けた。
家路に着くと、向かうのは三階にある自室。
一番奥にある自室まで足早に移動すると、慣れた手つきでその扉を開けた。
机、ベッド、本棚……いつもとなにひとつ変わらない光景。
ベッドにランドセルを寝かせた俺はそっと机に近づき、写真立てを手に取った。