キミへの想いは、この声で。
story*8 幼なじみ 3人組
【side 茜】
颯太くんが名前呼びに変わった次の日。
「おはよう、佐藤さん!」
……いつもの彼に戻っていました。
え、えーっと……。
私も川島くんに戻したほうがいいのかな?
とそんなことを考えていると、彼はすぐに大きな声で「間違えた!」と言い、目を細めて笑った。
「茜だ!」
その笑顔がいつも以上に輝いているような気がして、思わずドキッとしてしまった。
できることならここで〝おはよう、颯太くん〟って自分の声で返したいけど、当然のことながら、そんなこと私にはできない。
だから……、
『うん。おはよう、颯太くん』
やっぱり今日も私はキミに手話をする。