キミへの想いは、この声で。
クロネコは少年漫画で毎月発売される雑誌のひとつ。
私は読んだことないけど、どんな話があるのかくらいなら、一応把握している。
颯太くんは、どの話が好きなのかな?
ちょっと、気になるかも……。
私はイスを後ろに引くと、颯太くんのほうに顔だけ向けて手話で問いかけることに。
『颯太くんは、どのお話が好きなの?』
「俺は……、バスケ関連の話かな。
ちいさい頃からバスケするのが好きでさ、だからバスケ漫画は見てて面白いって感じるんだ」
キラキラした目で語る彼は、幼い子どものようで。
こんな一面もあるんだなぁと思えた。
「茜はスポーツだったら、なにが好き?」
急に質問を投げかけられた私は、その言葉にキョトンとしてしまう。