意味のない朝を楽しむコーヒーをインスタントの漆黒でいれてください
Ⅹ
「ぶっちゃけたこと言うけどさ、私別にコーヒーがインスタントでも、ちゃんと豆から挽いたのでもそんな気にしないんだよね」
「なに急に」
「いやこないだの男がコーヒーひとつにえらくうるさかったの」
「ああ、例の……例の……まあなんでもいいや」
「なんでもいいならわざわざ『例の』って前置詞つけないでよ」
そんな苦笑を交えながら起き上がり、彼を踏んづけた。
意外と引き締まった体を、彼はくねくね捻った。
「ぅぉうっ、ダメ、踏まないでお姉さまっ」
「キショイ」
「ぐああっ、だからってかかとで体重かけんなぁっ!!」
「だれかが変な声出すからでしょ」
「だれかってだれじゃ、とりゃっ」
「うわっ!?」
彼の反撃。引っ張られた足がぐらついて、私は倒れ込んだ。
シーツの津波と、スプリングの上下運動が数秒。
私は彼にホールドされている。
「なに急に」
「いやこないだの男がコーヒーひとつにえらくうるさかったの」
「ああ、例の……例の……まあなんでもいいや」
「なんでもいいならわざわざ『例の』って前置詞つけないでよ」
そんな苦笑を交えながら起き上がり、彼を踏んづけた。
意外と引き締まった体を、彼はくねくね捻った。
「ぅぉうっ、ダメ、踏まないでお姉さまっ」
「キショイ」
「ぐああっ、だからってかかとで体重かけんなぁっ!!」
「だれかが変な声出すからでしょ」
「だれかってだれじゃ、とりゃっ」
「うわっ!?」
彼の反撃。引っ張られた足がぐらついて、私は倒れ込んだ。
シーツの津波と、スプリングの上下運動が数秒。
私は彼にホールドされている。