チャラめ男子と鈍感女子
「お久しぶりです、片瀬さん!」
俺とは違う、何の計算もない真っ直ぐな笑顔を向けてくる。
やっぱり女の子は可愛いな~。
そう思うのに...なんで遊ぶ気になれなかったんだ?
「楽しめましたか?夏休み」
後悔の波が押し寄せる中、エミリーは相も変わらない笑顔で俺に問いかけてくる。
「それがさ...夏休みの間、女の子と遊んでなくて...」
「...誰が?」
「俺だけど?」
俺の言葉にエミリーが固まる。
そんなにおかしな事言ったか?
エミリーの反応に驚きながら、静止し続ける彼女の前で手をひらつかせた。