チャラめ男子と鈍感女子
今日は一回通しでやってみようと、放課後に練習していた。
まだ覚えていない人もいるようで、大体の奴が台本片手に稽古をする。
その為かトントンと話は進み、物語の中盤...エミリーが出る所になった。
ちなみにクラスの皆も、エミリーがショーに出場するのは知っている。
だから劇はチョイ役にしてもらったみたいで。
良いなぁ、俺も楽な役にしてもらいたかった...
「槙ちゃんの出番終わった?
次は被服室でショーの打ち合わせ!休んでなんかいられないよ!」
うん、嘘です。何かゴメン、エミリー。
一息つく間もなくずるずると引きずられていくエミリーに、一瞬でも楽で良いと思ってしまったなんて...
ちょっとした罪悪感が俺の中でポツリと沸いた。