チャラめ男子と鈍感女子
「エミリー...」
俺がそう呟くと、音が止み、エミリーが立ち止まった。
「あっ、片瀬さん。こんばんは!」
「こんばんは...」
はっ!そうじゃないだろ!
エミリーのほんわかしたムードに流されて、つい挨拶してしまった。
「こんな時間に何してるの?」
聞こうと思っていた事を口にすると、エミリーは気まずそうに目を逸らした。
「ショーの練習をしていて...私、上手く歩けていないですから。
もちろん申請はきちんと取っていますよ?」
そんなに慌てて否定しなくても...
別に無断で使ってるとか疑ってないし。
ん?でも....今のエミリー、なんか違和感があるような。