チャラめ男子と鈍感女子
「...ショーなんて、やっぱりエミリーには荷が重いんじゃない?…やめちゃえば?」
ひどい事を言ってるのは自分でも分かってた。
けど、周りに侮辱されるエミリーを見ていたくないから...
「そう、ですね...私にこんな賑やかな事は合わないとは思います。
参加しようとした理由も不純ですし」
そう話すエミリーの表情はとても悲しそうで。
違う、俺はそんな顔をさせる為に言った訳じゃない。
「でも...私の為に服を作ってくれたり、頑張ろうって励ましてくれた人がいるんです。
だから、辞めるつもりはありません」
「だけど...」
「私は!...努力もしないままに諦めたくないです」
いつもの様に恥ずかしそうでもなく、俯いてもいない。
目の前の俺を見て話すエミリーは真剣そのもので。
その澄んだ瞳に心が騒ぐ。