チャラめ男子と鈍感女子
エミリーとは、体育館で会った夜以来話せていない。
準備が忙しいし、劇もショーも本番までのお楽しみという事でカーテンで区切られてしまったので、交流もままならなかった。
たまにエミリーの出番の時に舞台の方に来たけど...
台詞を喋り終わるとすぐに戻ってしまっていたし。
そんな事を考えていると、ふとエミリーと目が合った。
「おはようございます。片瀬さんの衣装とってもお似合いですね?」
俺の方へと近付いてきたエミリーは、ニッコリと微笑みかけてくる。
うわっ、まただ。
エミリーの笑顔を見ると胸が高鳴る。
「そ、そうか? エミリーも結構イケてるじゃん」
「...それは褒めてくれているんですかね?」