チャラめ男子と鈍感女子
「それでは、今年の文化祭成功と槙さんファッションショー特別賞を祝して...乾杯!」
「「「かんぱーい!!」」」
文化祭も恙(つつが)無く終わり、メンバー全員と生徒会室でジュース片手に祝賀会を開いていた。
窓からはグラウンドが見えて、そこでは後夜祭の真っ最中だ。
「しかし、槙さんは凄いな。初めての参加なのに賞を取るなんて」
「自分でも驚いてます...」
麻野っちの言葉に俯き恥ずかしそうにするエミリー。
ショーの後、皆で話し合って優勝揉み消しの話はエミリーにしない事に決めた。
だから、嬉しそうにしている彼女を見ていると胸が痛む...
「ホントに凄いよね! それはもう優勝出来ちゃうんじゃないかって位?」
翼の余計な一言にエミリー以外が目線を漂わす。
「そんな...優勝なんて無理ですよ!」
「もう! 謙遜しなくていいのに~♪」
ちょっとコイツ黙ってくんないかな?!
肝が冷えるとはこの事か、翼が口走ってしまわないかドキドキしてしまう。