チャラめ男子と鈍感女子
陽菜乃は段々と、学校を休みがちになった。
来ても早退して帰ってしまうようになって...
登下校ももちろん同じじゃない。
帰宅してからも、家から出てくる事はなかった。
何回か家にも行ったんだけど...
部屋に籠ったっきりで、顔を見る事もままならなかった。
それから少し経った下校途中。
特に何をする事もなくダラダラと帰っていると、俺の家の前には陽菜乃が立っていた。
「久しぶり...、慎也」
陽菜乃はどうやら俺を待っていてくれたようで、俺と目が合うと微笑みかけてくれた。
でも少し前までの元気いっぱいの笑顔じゃない。
どこか無理をしているような、そんな気さえする笑顔。