チャラめ男子と鈍感女子
「あのねぇ、エミリー…そうじゃないんだって」
「えっ、あの…」
俺の口調で怒っているのが分かったのか。
エミリーは少したじろいでいる。
「さっき赤羽がしようとしてたのは…」
俺はエミリーを引き寄せると、ほんの一瞬、触れるようなキスをした。
「こういう事なの! 分かった?」
そう言って、エミリーから少し距離を取った。
ついムキになって行動しちゃったけど。
よくよく考えるとエミリーの許可もなくした俺は、赤羽と変わらないんじゃ?
直ぐさま後悔の波が俺の胸へと押し寄せてくる。
さっきから目の前にいるエミリーは、俯いて口を閉ざしたままだ。
これは…もしかしなくても怒っているのでは!?