チャラめ男子と鈍感女子
「そ、そうですよ! 私は真樹なんかよりもむしろ…」
「寧ろ?」
何かを言おうとしていたけれど、途中でエミリーは言葉を止めてしまった。
「…何でもないです」
「何でも…」
いやいや、絶対ウソじゃん!
でもエミリー、変なところで意固地だったりするからな~。
聞いても教えてくんないかも…
「よし、分かった。今の事を聞かない代わりにこうしよう!」
「何ですか?」
「俺も菅田みたいに下の名前で呼んでよ!」
これで俺も得をするし、エミリーも言わなくて済む。
我ながら一石二鳥のアイデア♪
「うっ、あっ…い、良い、ですよ?」
「えっ!? いいの?」
どれだけ聞かれたくない事なんだ。
まぁ、俺にとっては喜ばしい事だけどさ?