チャラめ男子と鈍感女子
必死に心を落ち着かせようとするけど、中々顔の火照りも胸の激しい鼓動も収まらない。
そんな中、エミリーが近付いてくる気配がした。
いくら暗めの照明でも、近くまで来られたら赤面している事がバレてしまう…!
そう思った瞬間。
ガチャ―――
不意にした扉の開く音。
そこに立っていたのは…
「麻野っち!」
「え?…会長さん!」
非常に気まずそうな表情をした麻野っちが佇んでいた。
「いや~、実はこの倉庫さ。俺達が一年の時に荒らされた事があって…
だから教室と同じようにロックされるようになったんだよね。それをすっかり忘れてて…申し訳ない!」
寮へと戻る道すがら、麻野っちが簡潔に説明をしてくれた。
「じゃあ…これは麻野っちの報告不足って事~?」
「うっ、その通りだ…すまない」
謝ってくる麻野っちはもう本当に申し訳なさそうで…
別に俺は構わないんだけどさ。
色々と気になってた事も聞けたし。