チャラめ男子と鈍感女子
つまり。
そんな訳で、エミリーからチョコをもらえるチャンスも少なからずは出来たって事だ。
今はまだ朝のホームルーム前。
エミリーが誰かにチョコを渡した様子はない。
でもなぁ、もしかしたら自分で昨日の内に食べたかもしれないし…
期待と不安の両方が自分の中で渦巻く。
ハァと一つため息を落とすと、俺の前の席に誰かが座った。
「おはよー、慎也!」
見上げると、愛梨ちゃんが俺に笑いかけている。
「おはよ~。朝から元気だね?」
「そういう慎也は元気なさげだね?そんな慎也くんに、愛梨様からのプレゼント!」
そう言って手渡されたのは、ピンクのリボンで可愛くラッピングされたチョコレート。
透明のフィルムから見えるチョコは、星の形をしている。