チャラめ男子と鈍感女子
「ハァ~、やっと終わった…」
「今日の書類は結構ありましたもんね…」
ぐっと背を伸ばしながらそう言うと、エミリーも頷きながら応えてくれた。
その声からは疲れの色が見える。
「すみません。一番に終わったのに手伝ってもらって…」
申し訳ないといった感じでペコリとエミリーは頭を下げた。
「…エミリー? そんなにすまなさそうな顔されたら、手伝った意味がないでしょ!
こういう時は笑顔でいて♪」
「優しいですね…慎也さん」
俺の言葉通り、こっちに笑いかけてくれるエミリー…
これは惚れた弱みからなのか。
彼女が可愛くて仕方がない。
今すぐ抱きしめたいと、そんないけない感情が俺の中で芽生えた。
このまま触れてしまおうか…
そんな考えがよぎった時、エミリーが声を上げた。