チャラめ男子と鈍感女子
「そうだ! 慎也さん。ちょっと、寮の近くのベンチで待っていてくれませんか?」
「え? 別にいい、けど…」
エミリーは俺の返事を聞くまでもなく、寮の中へと入っていった。
寮の少し奥手にある茂み。
ここに来るのは久しぶりだ。
少しの間のことなのに、何故かスゴく懐かしく思える。
夏休みの帰省から戻ってきたあの日。
俺はエミリーを抱きしめた。
思えば、あの時からエミリーを…槙えみりという女の子が好きだったんだな。
ううん。
惹かれてたのは、初めて会ったあの日からなのかもしれない…
ただの真面目ちゃんなのかと思ってたら、奇想天外な事を言い出したりし出したり。
今まで会った事のないタイプの女の子で…