チャラめ男子と鈍感女子
「ここだよ。入ろ入ろ!」
「ここは、喫茶店…ですか?」
エミリーを連れてやって来たのは、『文庫カフェ』という一風変わった店。
自分でも行ってみた事はなかったんだけど、前に新規オープンってポスターを見てから気になってたんだ。
何でも珍しい著書も取り揃えてるみたいだし…
エミリーが喜ぶかな~っと思って。
「慎也さん! ここここの本は…中々書店に置いてない物なんですー!」
案の定エミリーは、店に入ってから大盛り上がり!
店員や周りの客がその過剰な反応に若干引き気味だ。
「嬉しいのは分かったから…もう少し声のトーン落とそうね~?」
「!…すみません。はしゃぎすぎてしまいました」
うーん、俺としてははしゃぐエミリーも可愛いんだけどね。
今も目を輝かして本を見つめる姿は愛らしいし。