チャラめ男子と鈍感女子
それからしばらく、もう少しで二年だとか後一年役員だとか他愛のない話をしていた。
そして学園沿いの道を歩いている時、エミリーが口を開いた。
「慎也さんって…不思議な人ですよね」
「そう?」
俺にとってはエミリーの方が不思議だけどな?
そう思ったけど、それは心の中だけに止めた。
「はい。おどけた感じの人かと思ったら根は真面目ですし…授業も生徒会もサボったりしないし」
うっ…
授業出てるのは理事長との契約だし。
生徒会はエミリーがいるからで、真面目な訳ではないんだけど。
「それと、嫌がっていたとしても投げ出したりしないじゃないですか。そういう所、素敵だって…そう思います!」
照れながらも、一つ一つ俺の事を話してくれるエミリー。
こうやって自分を見てくれているのが素直に嬉しい。
あぁ、きっと俺はこのまま…
彼女をもっともっと好きになってしまうんだろう。