チャラめ男子と鈍感女子
「片瀬!お前も役員なんだから最後まで残れ!」
ドアから飛び出した瞬間、怒鳴っているかのような会長の声が聞こえた。
まぁもちろん、今日も遊ぶ約束をしてるからスルーなんですけど?
『お前みたいな軽い奴と付き合う女なんていないか』
目的の場所へと向かうために歩いていると、何故かグッチーの言葉が頭に響いた。
「付き合った事....ないって訳じゃないんだけどな」
誰も居ない廊下に、俺の声だけがポツリと落ちた。